転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


558 違う使い方ができる魔法があるってみんな知らなかったんだって



 僕の作った物のお話はあんまりしちゃダメだよって言った後にね、ロルフさんはこんな事を言い出したんだ。

「少々話がそれてしまったが、そろそろ本題に移った方がよいのではないかな?」

「ああ、確かにそうですわね」

 あれ? そう言えば僕、何でここに来たんだっけ?

 今までいろんなお話をしてたでしょ。

 だから僕、何でここに来たんだっけって、頭をこてんって倒したんだ。

 そしたらね、それを見たルルモアさんが忘れちゃダメでしょって。

「ルディーン君が、クリーンは体をきれいにする魔法ではないと言ったから、皆さまがここに集まっているんですよ」

「あっ、そっか!」

 そう言えばクリーンの魔法のお話をするからって、ここに連れてこられたんだっけ。

「それで、ルディーン君。クリーンの魔法は人や物だけじゃなく、部屋にもかける事ができるっていうのは本当なの?」

「うん、できるよ。だってクリーンはお掃除の魔法だもん」

 ルルモアさんに聞かれた僕は、お部屋のお掃除もできるよって教えてあげたんだ。

 そしたらね、それを聞いたロルフさんが変な事を言い出したんだよ。

「そうか。今までクリーンの魔法は対象にかける事で発動しているとばかり思っていたが、あれは無意識に範囲を指定していたという事なのじゃな」

「えっ、違うよ。何かにかける事もできるけど、範囲を指定する事もできるんだ」

「何じゃと!」

 ロルフさんは僕のお話を聞いて、クリーンはものにかけてるんじゃなくって知らないうちに範囲を指定して使ってたんだねって言うんだよ。

 だけどこの魔法って、どっちの使い方もできるでしょ?

 だから僕、その事を教えてあげたんだけど、そしたら違う使い方ができる魔法なんてあったの? ってみんなびっくりしたんだ。

 でもさ、そういう魔法、他にもあるよね。

「本当に、そんな事が可能なの?」

「うん。僕が狩りに使ってるマジックミサイルだって、自分がいるとこと違うとこから撃ったり、数を増やす事ができるでしょ? それとおんなじだよ」

 ルルモアさんがほんとに違う使い方ができるの? って聞いてきたもんだから、僕はマジックミサイルもそうでしょって言ったんだよ。

 そしたら、そう言えばそうねって。 

「言われてみれば確かに、いろいろな使い方ができる魔法は攻撃魔法にもありますわね」

「でしょ? これもそれとおんなじで、物にかける事もできるけど、範囲を指定してその中をきれいにすることもできるんだ」

 僕のお話を聞いて、ルルモアさんはそっかぁって納得してくれたみたい。

 でもね、それが解ってもまだ聞きたい事があるんだってさ。

「ねぇ、ルディーン君。指定する事によって範囲が変わるって君は言っていたけど、それはどのように行えばいいの?」

「クールとおんなじようにやればいいんだよ」

 僕がクールの魔法とおんなじだよって教えてあげたんだけど、それを聞いたルルモアさんはちょっと困ったお顔になってこう聞いてきたんだ

「えっと、そもそも、そのクールっていう魔法も、どうやって使われているものなのか、私はよく知らないのよ」

「おお、そうじゃった。わしらはすでに知っておるし、商業ギルドでも説明を済ませてすでに周知されておるから一般的には知られておらぬ事を忘れておったわ」

 ロルフさんはね、ルルモアさんにクールの魔法の事を教えてあげたんだよ。

「なるほど。範囲を指定して使う魔法そのものが、クールという魔法の発見まではほとんど知られていなかったのですね」

「うむ。わしやギルマスも、ルディーン君から教えてもらうまでは知らぬ魔法の使い方であったからのぉ。ルルモア嬢が知らぬのも無理はない」

 そう言えば僕が初めてクールの魔法のこと話した時、バーリマンさんもそれ何? って聞いてきたっけ。

 その時に使い方を教えてあげたら、空間に作用する魔法には放出系以外にそんな使い方ができる物があったんだって驚いてたんだよね。

「後で調べたら範囲を指定して使う魔法は他にも見つかっていたみたいなんですけど、発動させるのが難しい上に使い辛い物ばかりだったために魔法使いの間でもほとんど知られていなかったようですわ」

「なるほど。それでは我々冒険者ギルドが把握していなくても仕方がありませんね」

 冒険者さんって、魔法を使う人があんまり多くないでしょ?

 だから僕が使ってるみたいな攻撃魔法でも、それがどんな効果があるのかを知ってる人があんまりいないんだって。

 それにね、バーリマンさんが言うにはそもそも範囲を指定する魔法は難しいのが多いから、魔道具を作る人とか偉い魔法使いさんしか覚えてないらしいんだ

「うむ。クールも特殊と言えば特殊な使い方をする魔法じゃからのぉ。その使い方を冒険者ギルドが把握しておらぬとしても無理は無かろうて」

 さっきロルフさんが、クリーンは冒険には関係ない魔法だよって言ってたでしょ?

 他の範囲を指定して使う魔法もそれとおんなじで、冒険者さんが覚えてもしょうがないもんばっかりなんだってさ。

 だからルルモアさんもロルフさんも、冒険者ギルドが知らなくってもしょうがないねって笑ったんだ。


 読んで頂いてありがとうございます。

 今回はちょっと短めです。

 と言うのも今週は母の月命日と日曜日が重なったので和尚様を迎える準備をしたり、お経に参加してくれた姪っ子の送り迎えなどで時間が取られたからです。

 それでもとりあえずキリのいい所まではかけたんじゃないかなぁと、自分に都合のいい事を言ってみたりw

 さて、読み直して解ったんですが、てっきり書いていたと思っていた範囲指定を使う魔法についての設定、後書きにすら全然書いてなかったですね(汗

 普通のゲームだと放出系の魔法でもその効果範囲は決まっているので、わざわざ範囲を指定して使うなんてことはありません。

 ですがドラゴン&マジック・オンラインはテーブルトークRPGが原作なので、オンラインゲームでは使われなかった一般魔法の中にはこういう使い方ができる物が結構あるんですよ。

 ただ、この世界だと魔法はその発音から覚えないと発動しないという制約があるため、有用なもの以外は見つかってもあまり広まらないんですよね。

 そのような訳で、ロルフさんやバーリマンさんでさえ、範囲を指定して書けるという魔法を知らなかったと言う訳です。


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